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2020.11.25 - 

第1回グルーヴノーツユーザー会レポート

グルーヴノーツでは、弊社のクラウドプラットフォーム「MAGELALN BLOCKS(マゼランブロックス)」 をご利用いただくユーザー企業様に向けて、業界・業種を超えた企業同士の交流や情報交換により、さらなる業務改善のご支援に努めるべく、このたび、ユーザー会を発足しました。今回は、2020年10月30日(金)17:00〜18:15に開催した、第1回「オンラインユーザー会」の様子の一部をご紹介します。

 

グルーヴノーツの「ユーザー会」とは...

ユーザー企業様同士のネットワーキングを支援し、またグルーヴノーツからは最新トレンドや注目事例など業務に役立つ新情報をお届けします。

  • 活動内容... オンラインユーザー会の開催、ハンズオン勉強会の開催、最新情報の配信 など
  • ユーザー会がご提供するメリット
    • スキルの向上
    • 最新情報のキャッチアップ
    • 実務に即した情報交換

 


 

グルーヴノーツ 代表取締役社長 最首より最新の取り組み

初開催となるオンラインユーザー会では、弊社 代表取締役社長の最首よりご挨拶として、「量子コンピュータ活用」と「City as a Service」における弊社の取り組みをご紹介しました。

 

新テクノロジーとして量子コンピュータに注目が集まるわけ

「これまで、MAGELLAN BLOCKSのAIを活用することで、非常に多くのお客様において高精度な予測結果を得ることができております。一方で、予測結果をもとに事業改革に着手しようとすると、次なる壁に直面します。需要に応じて供給体制の適正化を図るには、例えば、適材適所・適時適量の人員配置であったり、物を最も効率的に製造、配送したりという問題を解決しなければいけません。これは『組合せ最適化問題』といわれ、様々にある複雑な条件をすべて満たした上で数ある選択肢の中から最も良い答えを得ようとする問題です。この組合せ最適化問題の解決に長けた唯一の技術が量子コンピューティング技術です。グルーヴノーツでは、2019年4月から量子コンピューティング技術を活用した商用ソリューションを世界で初めて提供開始し、働き方改革と効率化を両立する最適な人員配置や、生産効率の最大化、物流効率の最大化など、様々なお客様の事業課題の解決に努めております。」

 


 

量子コンピュータ活用プロジェクト担当者に聞く!

続いて、弊社コンサルティングサービス部門のシニアコンサルタント高比良とマネージャー田中より、両者が参画している量子コンピュータ活用プロジェクトについてお客様の課題や解決方法をご紹介しました。

 

シニアコンサルタント
高比良

 

 

マネージャー
田中

 

高比良からはキユーピー様と一緒に取り組む「製造ラインシフト最適化」プロジェクトと、製造業様での「生産計画最適化」プロジェクトについて、田中からは三菱地所様での「廃棄物収集ルート最適化」プロジェクトについて発表。ここでは、製造業様と三菱地所様での取り組み事例をまとめてご紹介します。

 

製造業様の「生産計画最適化」プロジェクト

お客様が抱えていた課題とは?
従来、生産計画を立てるのに古典コンピューター(一般のコンピューター)をご利用されていました。ただ、一日の生産シフトを作成するのに半日以上かかるため、当日中の出荷数変更処理が間に合わず手動で対応しており、かなり工数がかかっている状況でした。

どのように課題解決に取り組んだ?
次のようなアプローチで、MAGELLAN BLOCKSを活用しました。量子コンピュータを用いることで、生産シフト作成時間を大幅に短縮できるようになりました。

  1. まず、生産計画を立案する上でのクリティカルパスなどを分析しました。
  2. 1の分析結果をもとに、量子コンピュータを利用する上で用いる制約条件を洗い出し、策定しました。
  3. 量子コンピュータの計算結果を可視化、検証しながら、段取り時間が最も少ない生産ライン・製造順序計画を瞬時に導出する仕組みを構築しました。

 

三菱地所様の「廃棄物収集ルート最適化」プロジェクト

お客様が抱えていた課題とは?
最新のテクノロジーやデータを駆使して、ESG/SDGs経営の実現に向けた廃棄物管理問題の解決、CO2排出量削減に取り組みたいと、弊社にお話しをいただきました。量子コンピュータを用いたシミュレーションの結果、廃棄物収集車の総走行距離からみるCO2排出量は約50%超となる削減効果を確認できています。

どのように課題解決に取り組んだ?
このプロジェクトでは、収集・運搬業務のヒアリングや現場見学まで行い、現状業務を可視化するところから始めました。業務の特性やKFS(Key Success Factor)を正しく理解するためにこの過程は非常に重要で、のちの高精度な予測・最適計算の実現につながったと考えます。

  1. 廃棄物収集・運搬がどのように行われているか、担当部署にヒアリングを行ったり現場見学を行い、データを分析・可視化しました。
  2. 特徴量やどういった因子がAIの予測モデルに効果的かを明らかにし、日々の廃棄物の発生量を予測するモデルを作成しました。
  3. 廃棄物予測量をもとに、最大の積載率かつ最短経路で収集・運搬する計画/ルート表を量子コンピュータを用いて高速計算しました。

 

質疑応答の中で、量子コンピュータの適用範囲について高比良からは「量子コンピュータは、最適な人員割付や生産計画を導き出すのを得意としますが、育成計画を含めた長期的なアサイン計画を策定する際にも役立つテクノロジーであると思う」と回答。量子コンピューティング技術の計算対象である『組合せ最適化問題』について、田中からは「人の動きや物の動きについては、すべて組合せ最適化の問題の対象になる」といった解説を行いました。

 


 

快適で豊かな都市サービス創出を目指す「City as a Service」の最新情報

最後に、グルーヴノーツのCity as a Service推進室長 山本より、City as a Serviceの最新情報についてご紹介しました。

 

「City as a Serviceでは、人の移動の『目的』に着目しています。例えば、携帯電話の位置情報をもとにどのエリアが混雑しているかを把握できても、なぜ混んでいるかはそのデータからはわかりません。人が行動を起こす動機に『ものやサービスを買う』ことがあると考え、City as a Serviceでは、購買統計データによる街全体の動きの解析、可視化を行っています。その他にも提携するユーザー企業様のデータを加え、街の状況を可視化するダッシュボードの構築を進めています。

街全体の動きが知りたい、ダッシュボードに興味があるという方がいらっしゃいましたら、ぜひデータプロバイダとしてお持ちのデータのご提供や、ダッシュボードの利用者として “こういうデータがあったら嬉しい/活用してみたい” などの率直なご意見をお聞かせいただければと思います。」

 

City as a Service(シティ・アズ・ア・サービス)とは...

経済情勢や顧客動向が日々刻々と変容する今、国や自治体、企業において外部環境の変化をつぶさに捉えて成長策を講じる重要性がますます高まっています。その上で、多様化する企業や個人の経済活動の特性を精度よく把握可能なコミュニティの単位として「街」は有効な指標となります。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により急激な変化が続く社会・経済状況においては、ビッグデータ/AI/量子コンピュータを活用した都市状況の可視化、変化の予測・シミュレーション、最適化が、社会課題の解決に寄与すると考えられます。


 

参加企業様の声・要望等

オンラインユーザー会でのご質問や参加後のアンケートで、企業様からいただきましたフィードバックをいくつかご紹介いたします。

 

オンラインユーザー会の感想

  • コンサルタントの方による具体的な事例紹介や最首さんのご説明により、量子コンピュータの不明瞭だったイメージが払拭されました。
  • 他社の担当者がどのようなことを意識して業務に当たっているかを知ることができ、業務にあたる姿勢を省みるきっかけになりました。

 

今後のユーザー会に期待すること

  • MAGELLAN BLOCKSはわかりやすい製品だが、まだ自分で使いこなすまでには至っていない。可能であれば勉強会を実施してほしい。
  • フローデザイナーのテンプレートの種類を増やしてほしい。
  • データ関連、精度向上といったAIの活用活性化、精度向上につながるヒントをユーザーとしては希望します。