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2021.01.20 -  プレスリリース

グルーヴノーツと慶應義塾大学 田中宗准教授、量子コンピューティング技術に関する本格的な共同研究を開始

直面するさまざまな社会課題に向き合い、より良い答えを導き出すために

株式会社グルーヴノーツ

量子コンピュータ関連ビジネスを手掛ける株式会社グルーヴノーツ(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:最首英裕、以下 グルーヴノーツ)は、慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 田中宗准教授と、量子コンピューティング技術の実用化、普及による社会課題の解決に貢献することを目的に、共同研究契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。

量子コンピューティング技術の中で、「組合せ最適化問題」に特化した計算技術は「量子アニーリング」と呼ばれ、ますます産業構造が高度化/課題が複雑化するSociety5.0、DX時代、IoT社会において、高速・高精度に解を得るために重要な役割を担うと期待されています。

組合せ最適化問題膨大な選択肢から、制約条件を満たし、ベストな選択肢を探索する問題

組合せ最適化問題は、最⼩コストとなるスケジューリングやプロセスの作成、最⼤利益を⽣み出す経営戦略の立案、渋滞回避・最短経路となる交通・物流計画、スマートシティなど、社会課題の多様な場面に内在しています。

グルーヴノーツは、先進のテクノロジー発想と高い技術力をもとに、量子アニーリングを活用する上で必要なソフトウェア(アルゴリズムやアプリケーションなど)の独自開発に成功。一般ユーザーでも使えるクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」として提供しています。また、量子アニーリングのD-Waveや量子inspired・準量子の東芝シミュレーテッド分岐マシン等への適用・連携を実現しています。「MAGELLAN BLOCKS」を活用することで、数百人規模の勤務シフト作成や配送効率の倍増、製造工程における段取り替え改善など、企業の実業務の課題解決に着実な成果を挙げています。

一方で田中宗准教授は、量子アニーリングマシンをはじめとしたイジングマシンに関する研究に多角的に取り組んでいます。イジングマシンの動作原理を追求する理論研究・シミュレーション研究や、イジングマシン向けソフトウェア開発の基礎になるアルゴリズム構築、イジングマシン実機を用いた産業応用探索を進めています。

今回の産学連携では、田中宗准教授の学術的な知見とグルーヴノーツの産業応用への技術力やノウハウを組み合わせ、量子コンピューティング技術における共同研究に取り組みます。グルーヴノーツは、本共同研究を通じて、より実用的な量子コンピューティング技術の開発、コミュニティ活動を通じた量子コンピューティング技術の普及促進、社会課題への量子コンピューティング技術適用ノウハウの確立等を目指します。

□より実用的な量子コンピューティング技術の開発
[研究対象の例]

  • 業務課題と照らし合わせた組合せ最適化問題の解法開発・理論的解明
  • イジングマシン内部のアルゴリズムの理論発展や高度化
  • イジングマシンの特性を理解し汎用化されたイジングモデル/QUBO*の特性評価
  • 対象の組合せ最適化問題に応じた最適なパラメータ探索
  • ソフトウェア研究開発の高速化・高性能化

□コミュニティ活動を通じた量子コンピューティング技術の普及促進

□社会課題への量子コンピューティング技術適用ノウハウの確立

*QUBO:Quadratic Unconstrained Binary Optimization (二次制約なし二値最適化)

今後もグルーヴノーツは、「MAGELLAN BLOCKS」の高付加価値化に取り組むとともに、これまで以上に現実社会における組合せ最適化問題の解決方法を導き出すことで、企業活動さらには都市活動を対象に、様々な分野の構造的課題の解決に貢献してまいります。

慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 田中宗准教授 コメント

「現在、量子アニーリングをはじめとした各種イジングマシンの開発が活発に進められています。イジングマシンを有効活用するための学術的知見の蓄積、ならびに、イジングマシンをどのような場面で活用すべきかを探索することは重要な課題です。これらに対する取り組みについて、グルーヴノーツのエンジニアの方々と行うことにより、イジングマシン分野の着実な進展に努めてまいります。」

2008年東京大学にて博士(理学)取得。東京大学物性研究所特任研究員、近畿大学量子コンピュータ研究センター博士研究員、東京大学大学院理学系研究科にて日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学基礎物理学研究所基研特任助教、早稲田大学高等研究所助教、早稲田大学高等研究所准教授、早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構准教授を経て、2020年より現職。早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構客員主任研究員(研究院客員准教授)、情報処理推進機構未踏ターゲットプロジェクトマネージャー、モバイルコンピューティング推進コンソーシアムAI&ロボット委員会量子コンピュータ推進WG顧問等を兼任。専門分野は物理学、特に、量子アニーリング、統計力学、物性物理学。量子アニーリング等イジングマシンの研究開発を加速させるため、多種多様な業種の方々との産学共同研究や情報交換を積極的に行っている。

株式会社グルーヴノーツについて

グルーヴノーツは、「豊かで人間らしい社会の実現に貢献する」ことをビジョンに掲げ、多様な価値観をもとに社会/人の未来の可能性や豊かさを広げるためのテクノロジー活用を支援しています。いま、社会が抱える課題は、個々の企業が抱える課題の集積値として反映されたものでもあります。だからこそ社会課題に向き合い、人間の真の豊かさを支えるテクノロジーと着想の力で複雑な問題構造を紐解き、本質的な課題解決に取り組んでいきます。

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【お問い合わせ先】
株式会社グルーヴノーツ 広報
pr@groovenauts.jp

※本リリースの内容は発表日時点の情報です。


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